サプライチェーン
調達に関する基本的な考え方
当社は製造の大部分を外部委託するファブライト戦略を採用しております。当社が開発する高性能・高付加価値な製品をお客さまの要求に応えてタイムリーにお届けするためには、サプライヤー並びに製造委託先の皆さまとのパートナーシップが不可欠です。当社は各社と緊密にコミュニケーションを図り、公正な取引を行い、信頼関係を構築・維持するよう努めています。事業を通じて社会課題の解決に貢献するため、サプライチェーン全体でのESGの取り組みを進めてまいります。
当社は各国の法令、社会規範を遵守するとともに、ステークホルダーの皆さまからのご期待・ご要請に応えて、国際的なCSR基準・ガイドラインに沿った調達の取り組みを進めています。「レーザーテック企業行動指針」に加え、国連グローバルコンパクトの10原則やRBA(Responsible Business Alliance:責任ある企業同盟)が策定する「RBA行動規範」※1に準拠し、下記の事項を含め、積極的な取り組みを推進します。
- ※1RBA行動規範はエレクトロニクス産業、または電子機器が主な部品である産業およびそのサプライチェーンにおいて、労働環境が安全であること、そして労働者が敬意と尊厳を持って処遇されること、さらに環境への責任とともに、業務を倫理的に行うための基準を規定しています。同行動規範の規定は、国連のビジネスと人権に関する指導原則に沿って、労働における基本的原則および権利に関するILO宣言並びに世界人権宣言を含む、主な国際的人権基準に由来しています。
労働者の人権を支持し、国際社会から理解されるよう、尊厳と敬意をもって彼らに接することにコミットします。労働者には、臨時社員、移民労働者、学生、契約社員、直接雇用者、およびその他の就労形態の労働者を含みます。
1)雇用の自由選択
強制、拘束(債務による拘束を含む)または拘留労働、非自発的または搾取的囚人労働、奴隷労働または人身売買は認めません。
2)若年労働者
児童労働はいかなる製造段階においても使用しません。
3)労働時間
労働時間は現地法で定められている限度を超えないよう、法令を遵守します。
4)賃金および福利厚生
労働者に支払われる報酬は、最低賃金、時間外労働および法的に義務付けられている福利厚生に関連する法律を含め、適用される賃金に関するすべての法律を遵守します。現地法を遵守し、労働者には時間外労働に対して通常の時給より高い賃率で賃金の支払いを行います。
5)人道的待遇
労働者に対する暴力、ジェンダーに基づく暴力、セクシャルハラスメント、性的虐待、体罰、精神的もしくは肉体的な抑圧、いじめ、公の場での侮辱やみせしめ・晒し、または言葉による虐待などの不快なまたは非人道的な待遇、および、このような待遇の恐れを防止する措置を講じます。
6)差別・ハラスメントの排除
賃金、昇進、報酬および教育訓練の機会などの採用や雇用実務において、人種、肌の色、年齢、性別、性的指向、性同一性と性表現、民族または国籍、障害の有無、妊娠、宗教、所属政党、所属組合、軍役経験の有無、保護された遺伝情報、または配偶者の有無に基づく差別またはハラスメントを行いません。
7)結社の自由
現地法に従い、すべての労働者の自らの意思による労働組合結成・参加、団体交渉、平和的集会への参加の権利、および、それらを差し控える労働者の権利を尊重します。
安全で衛生的な作業環境が、業務上の怪我や病気の発生を最小化することに加えて、製品およびサービスの品質、製造の均一性、ならびに労働者の定着および勤労意欲を向上させること、また、職場での安全衛生の問題を特定および解決するために、継続的な労働者への情報と教育が不可欠であることを認識し、以下のような措置を講じます。
1)職務上の安全
労働者の潜在的な安全衛生上の危険源(化学物質、電気およびその他のエネルギー源、火災、車両、および墜落の危険源)に対する曝露を、特定、評価し、必要に応じて軽減に向けた妥当な措置を講じます。
2)緊急時への備え
潜在的な緊急事態や非常事態を、特定、評価し、緊急の報告、従業員への通知および避難手順、労働者の教育訓練を含む、緊急計画および対応手順の実施により、その影響を最小限に抑えられるよう努めます。
3)労働災害および疾病への対応
労働災害および疾病を防止、管理、追跡、および報告する手順および仕組みを構築、運用します。
4)産業衛生
労働者の化学的、生物学的、物理的薬剤への曝露を、特定、評価し、必要に応じて軽減に向けた妥当な措置を講じます。
5)身体に負担のかかる作業
人力による原材料の取り扱いや重量物のまたは反復的な持ち上げ、長時間の立ち作業、および極度に反復の多い、または力の要る組み立て作業など、労働者の身体に負荷のかかる作業の危険源への曝露を、特定、評価、管理します。
6)機械の安全対策
生産機械およびその他の機械は、安全上の危険源を評価し、危険から保護するための設備を設置し、適切に保守管理します。
7)衛生設備、食事および住居
労働者に清潔なトイレ施設、飲料水の利用、および衛生的な食品の調理、保存、および食事のための施設を提供します。
8)安全衛生のコミュニケーション
労働者の母国語または理解できる言語で、職場の危険源(機械、電気、化学物質、火災、および物理的危険源を含むがこれに限定されない)について、適切な職場の安全衛生情報と教育訓練を労働者に提供します。
環境に対する責任が世界水準の製品の製造に不可欠であることを認識し、公衆の安全衛生を守りながら、製造活動において、環境への影響を特定するとともに、地域社会、環境、および天然資源への有害事象を最小限に抑えるよう努めます。
1)必要な環境許可の取得と報告義務の遵守
必要とされるすべての環境許可証(例:排出のモニタリング)、認可書、および登録書を取得・維持し、最新の状態に保ち、その運用および報告に関する要求事項を遵守します。
2)汚染防止と資源削減
汚染物質の排出、および廃棄物の発生は発生源、もしくは汚染除去装置の追加、生産・メンテナンス・設備に関わるプロセスの変更、あるいは他の手段などの施策によって、最小限に抑えるか除去するよう努めます。また、水、化石燃料、鉱物、原生林産物などの天然資源に関しては、生産、メンテナンス、設備に関わるプロセスの変更、物質の代替、再利用、保全、リサイクルその他手段などを実践することで、その使用を抑えるよう努めます。
3)有害物質の管理
人体や環境に対して危険をもたらす化学物質、廃棄物、およびその他の物質は、特定、表示、および管理し、安全な取り扱い、移動、保存、使用、リサイクルまたは再利用、および廃棄を確実に実施するよう努めます。
4)固形廃棄物の削減と責任ある廃棄・リサイクル
固形廃棄物(有害物以外)の特定、管理、削減、および責任をもって廃棄またはリサイクルを行う体系的なアプローチを実施するよう努めます。
5)大気への排出物の監視・制御・処理
操業中に発生する揮発性有機化合物(VOC)、エアロゾル、腐食性物質、微粒子、オゾン層破壊物質、および燃焼副生成物は、その特性確認、定期的監視、制御を行い、排出される前に必要な処理を実施します。特に、オゾン層破壊物質は、モントリオール議定書および適用される規制に従い、効果的に管理します。
6)材料の制限に関する要求遵守
特定の物質の製品中および製造での禁止または制限に関し、リサイクルおよび廃棄物の表示に関するラベリングを含め、すべての適用される法律および規則を遵守します。
7)水の管理
水源、水の使用・排出を文書化、特性化、監視するほか、節水機会を探し、汚染経路を制御する水の管理プログラムを実施するよう努めます。
8)エネルギー消費および温室効果ガスの排出に関する追跡と改善
全社規模の温室効果ガス削減目標を設定し、エネルギー消費およびすべての関連するスコープ1および2の温室効果ガスの排出は、追跡、文書化し、温室効果ガス排出削減目標との比較を外部公表するよう努めます。また、エネルギー効率を改善し、エネルギー消費および温室効果ガスの排出を最小化する方法を追求していきます。
社会的責任を果たし、市場での成功を達成するために、以下の倫理基準を支持します。
1)ビジネスインテグリティ
すべてのビジネス上のやりとりで最高基準のインテグリティ(誠実性)が維持されるよう、あらゆる種類の贈収賄、腐敗行為、恐喝、および横領を一切許容しないゼロトレランスの方針を保持します。
2)不適切な利益の排除
賄賂またはその他の不当もしくは不適切な利益を得るための手段を、約束、申し出、許可、提供、または受領しません。また、法令の遵守を確実にするために、監視、記録保存、および施行手順の実施に努めます。
3)情報の開示
すべての商取引は透明性をもって実施し、会計帳簿や記録に正確に反映します。労働、安全衛生、環境活動、ビジネス活動、企業構造、財務状況、および業績に関する情報は、適用される規則と一般的な業界慣行に従って、開示します。記録の改ざんやサプライチェーンにおける状況または慣行の虚偽表示はいたしません。
4)知的財産権の尊重
知的財産権を尊重し、技術やノウハウの移転は知的財産権が守られた形で実施するとともに、顧客およびサプライヤーの情報を保護します。
5)公正なビジネス、広告および競争
公正なビジネス、広告、および競争の基準を支持します。
6)内部告発者の保護と報復の排除
法律により禁止されていない限り、サプライヤーおよび従業員の内部告発者の守秘、匿名性、および保護を確実にするプログラムを維持します。
7)責任ある鉱物調達
自社が製造する製品に含まれるタンタル、錫、タングステン、および金の採掘源および管理の連鎖に関し、これらの鉱物が、経済協力開発機構(OECD)紛争地域および高リスク地域からの鉱物の責任あるサプライチェーンのためのデュー・ディリジェンス・ガイダンス、または同等で認められたデューディリジェンスフレームワークに沿った方法で入手されていることを合理的に保証するための方針を採用し、デューディリジェンスを実施するよう努めます。
8)プライバシーの保護
サプライヤー、顧客、消費者、および従業員など、取引を行うすべての人の個人情報に関係するプライバシーへの合理的な期待に添うようコミットします。個人情報の収集、保存、処理、移転、および共有を行う場合、プライバシーおよび情報セキュリティに関する法規制の要求事項を遵守します。
(a)業務および製品に関連する適用法、規制および顧客要求事項の遵守、(b)本方針への適合、(c)本方針に関連した運用リスクの特定と軽減を目的に、以下の項目を含むマネジメントシステムを採用ならびに構築し、マネジメントシステムの運用を通じた継続的な改善を促進します。
1)企業のコミットメント
経営層が承認し、現地の言語で施設内に掲示されたコンプライアンスおよび継続的改善へのコミットメントを確認できる、企業の社会・環境責任に関する方針の記述。
2)経営者の説明責任と責任の明確化
管理システムと関連プログラムの確実な実施を担当する経営層および会社における責任者の明確な特定。
経営層による定期的な管理システムのレビュー。
3)法的要件および顧客要求事項
適用される法規制および顧客要求事項を特定、監視、理解するプロセス。
4)リスク評価とリスク管理
法令遵守、環境、安全衛生および参加企業の業務に関連する労働慣行および倫理リスクを特定するプロセス。
5)改善目標
社会、環境、安全衛生のパフォーマンスを改善するための明文化された目標、ターゲットおよび実施計画。
また、目標達成に対するパフォーマンスの定期的な評価。
6)トレーニング
管理職および労働者が本方針、手続きおよび改善目標を実施し、適用される法規制の要求事項を満たすための教育訓練プログラム。
7)コミュニケーション
本方針、実践、期待およびパフォーマンスに関する明確で正確な情報を、労働者、サプライヤーおよび顧客に伝達するためのプロセス。
8)労働者のフィードバック、参加、苦情
本方針の対象となる慣行および条件に関して、労働者の理解度を評価し意見や違反事例を把握した上で、継続的改善を促進するための効果的な苦情処理メカニズムを含むプロセス。
9)監査と評価
法規制の要求事項、本方針の内容および社会的、環境的責任に関連する顧客の契約上の要求事項に対する適合を確保するための定期的な自己評価。
10)是正措置プロセス
社内外の評価、点検、調査および審査によって特定された不備に対する適時の是正プロセス。
11)文書化と記録
規制の遵守、会社の要求事項への適合およびプライバシーを保護するための適切な機密性を確保するための文書および記録の作成と維持。
12)サプライヤーの責任
本方針の要求事項をサプライヤーに伝達し、サプライヤーの本規範への遵守を監視するためのプロセス。
- 1お客さまにとって付加価値の高い製品を提供するために、常に研究開発と技術革新を怠らず、お客さまと、また社会と共に成長を続ける企業を目指します。
- 2よき企業市民として法令・定款および社会規範を遵守し、公正な取引、適切な企業活動を推進するとともに、環境保護に努め、地域社会の発展に貢献いたします。
- 3株主をはじめ、お客さまや広く社会との適時適正なコミュニケーションに努め、企業情報を積極的かつ公正に開示いたします。
- 4従業員の人権、人格を尊重し、健全で安全な、また公平で働きやすく、生きがいのある職場作りを目指します。
- 5自己、第三者を問わず、資産・権利を厳正に管理し、いかなる時もこれを侵害せず、公正に使用します。また情報の管理にも万全を期します。
- 6経営トップをはじめ、役員、各部門の長は、本行動指針を率先垂範し、そのための社内体制の整備を行うとともに関係者への周知徹底にも努めます。
CSR調達の実効性を高める取り組みの例
- 主要サプライヤーへの定期的な説明会の実施
- CSR調達方針を新規サプライヤーに通知
お取引先さまへのお願い
当社は、RBA行動規範に準拠しております。当社とお取引いただくサプライヤーの皆さまにも当社のCSR活動の趣旨をご理解いただき、同様な対応をお願い申し上げますとともに、皆さまのお取引先さまに対しましても本活動の趣旨のご理解と実践をご要請いただきますようお願い申し上げます。
当社は、製品供給を継続することが社会的責任であると考え、自然災害等の緊急事態においても事業の継続あるいは早期復旧をはかるBCP(事業継続計画)の策定・運用・継続的改善を実践しております。当社のBCPが有効に機能するためには、サプライヤー並びに製造委託先の皆さまのご協力が不可欠であり、サプライヤー並びに製造委託先ご自身におかれましてもBCPの策定・運用・継続的改善を実践し、事業継続に注力頂くとともに、皆さまのお取引先さまに対しましてもBCPの策定・運用・継続的改善の実践をご要請いただきますようお願い申し上げます。
パートナーシップ構築宣言
当社は、お取引先さまとのより良い関係構築および取引の健全化を一層強化し、継続的に取り組むことで、社会的な要請に対応しながら、サプライチェーン全体での新たな価値の創出を推進するよう「パートナーシップ構築宣言※1」を策定・公表したことをお知らせします。
- ※1「パートナーシップ構築宣言」は、一般社団法人日本経済団体連合会・会長、日本商工会議所・会頭、日本労働組合総連合会・会長および関係大臣(内閣府・経済産業省・厚生労働省・農林水産省・国土交通省)をメンバーとする「未来を拓くパートナーシップ構築推進会議」において創設。サプライチェーン全体の取引先や価値創造をともに行う事業者等との連携・共存共栄を進めることで、新しいパートナーシップを構築することを社内外に明確に示すものです。
レーザーテックお取引先さま通報窓口
当社では、コンプライアンス上の問題の未然防止、早期発見、早期解決を図るため、お取引先さまよりご通報いただく窓口を設置しております。お取引先さまにおかれましては、当社の業務や役員・従業員に関しまして、法令違反行為、またはそのおそれがある行為を発見された場合、下記通報窓口をご利用くださいますようお願いいたします。
当社ID:lasertec PASS:lasertec1960
- ご利用上の注意
- お取引に関するご相談は、各取引部門の担当者へ直接ご連絡ください。
- 当社は、通報の事実をもって、通報者及びその通報者の所属される会社への不利益な取り扱いは致しません。
- 通報に関する情報 (個人情報を含む)は、その通報の対応のために必要な範囲内でのみ当社コンプライアンス担当者が使用することとし、法令等の要請による場合を除き、通報者の事前のご同意を得ずに第三者へ開示を行うことはありません。また、個人情報の取り扱いについては、当社プライバシ―ポリシーをご覧ください。
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