マテリアリティ(重要課題)
マテリアリティの特定プロセス
様々な社会課題が存在する中で、中長期的に企業価値を向上すると同時に社会からの期待に応えるため、当社にとって重要性が高いと思われる課題を4つのステップにより特定しました。
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Step 1グローバルガイドラインを
探索元とした社会課題の検討- グローバルメガトレンドを踏まえ、レーザーテックに関連する社会の変化、社会課題を認識。
- GRIスタンダードにおけるESG項目を基に、取り組み・開示を行うべき事項や社会課題を検討。
- SDGsにおけるターゲットや、SASB、FTSE、MSCI等グローバルな評価機関により示されている重要課題を基に、レーザーテックとして取り組むべき社会課題を検討。
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Step 2自社取り組みの評価・
他社動向からの課題検討- Step 1で検討した社会課題を踏まえ、外部専門家による自社の取り組み状況の評価を実施。取り組みが不足している項目や、開示が不足している項目を抽出。
- 他社の取り組みについて、各種IRやサステナビリティレポート等の開示情報を基に情報収集。業界として求められている取り組み水準を把握。
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Step 3重点的に取り組むべき
社会課題の抽出- 社会・ステークホルダーにとっての重要性、当社にとっての重要性という2軸で課題を評価し、重点的に取り組むべき社会課題を抽出。重要性は社会性と経済性の視点から評価。
- ステークホルダーとして、従業員代表だけでなく、経営陣・社長および外部の有識者として日本総研を交えて議論。
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Step 4マテリアリティの特定
- Step 1~Step 3の検討により抽出された重点的に取り組むべき社会課題について、「事業を通じて社会課題の解決に貢献する」という視点から再整理。
- 当社の事業活動や特徴と関連付けを行ったうえで、価値創造の源泉として重要な5つのテーマを
マテリアリティとして特定した。
特定されたマテリアリティ
上記のプロセスによって特定された当社の重要課題は以下の通りです。
- 1経済・社会価値を生み出す製品開発力
- 2顧客ニーズを迅速に実現する対応力
- 3持続可能なサプライチェーン
- 4人材を活かす組織体制・風土
- 5持続可能性に配慮したガバナンス体制
マテリアリティの整理 | マテリアリティの要素 |
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経済・社会価値を生みだす
製品開発力 |
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顧客ニーズを迅速に実現する対応力
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持続可能なサプライチェーン
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人材を活かす組織体制・風土
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持続可能性に配慮した
ガバナンス体制 |
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1. 経済・社会価値を生み出す製品開発力
当社が生み出す価値の源泉は、当社のもつ製品開発力にあると言っても過言ではありません。常に新しい事業の開発を目指すこと、そのためにイノベーションを生み出す開発・製造体制を構築・維持・向上することは、当社にとっての最重要課題と言えます。そして、「事業を通じて社会課題の解決に貢献する」という視点から、環境に配慮した製品の実現も極めて重要であると認識しています。
- 関連する指標・取り組みの例
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- 新製品の売上比率
- 研究開発費、設計開発人員の割合
- 製品寿命
2. 顧客ニーズを迅速に実現する対応力
当社が製品開発を通じて社会貢献するためには、市場のニーズに応えた製品をタイムリーに提供する対応力を有することが重要です。そのためには、既存ビジネスにおいて顧客ニーズに応え続けること、そして新たな顧客ニーズをいち早く把握する努力が不可欠です。また、当社顧客の大半が海外顧客であることから、安心して製品を使用していただくため、グローバルサポート体制を構築・維持・増強することが重要です。
- 関連する指標・取り組みの例
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- 主力製品のシェア
- Design Review※1の件数
- 海外現法のフィールドサポートエンジニア数
- ※1通常の製品設計の検討に加えて、営業部門などが入手した顧客の新しいニーズ・アプリケーションに対して技術的な対応を検討する会議。ソリューションをいち早く提供する当社の対応力を代表する指標。
3. 持続可能なサプライチェーン
当社は自社の経営資源を研究開発に集中投下し、製品製造については外部の協力会社に委託するファブライト戦略を採用しております。その実現のためには、当社が求める高度技術を有する協力会社さま、サプライヤーさまとのパートナーシップが不可欠です。また、当社製品の製造のために持続可能な形で原材料を調達するとともに、サプライチェーンにおける人権や環境問題への取り組み状況を把握し、必要であれば改善することも重要であると認識しています。
- 関連する指標・取り組みの例
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- サプライヤーの数
- 主要サプライヤーへの定期的な説明会の実施
- CSR調達方針(RBAに準拠)を新規サプライヤーに通知
4. 人材を活かす組織体制・風土
当社の製品開発力を実現するには、研究開発に携わる人材の育成と確保が極めて重要なことは言うまでもありません。また、お客さまに素早くソリューションを提供するには、迅速な決断と実行を可能にするフラットで柔軟な組織風土を醸成し、維持することも同様に重要です。そして、当社の成長を支える従業員の健康と安全は当社にとっての最重要課題の一つです。当社はグローバルにオペレーションを展開しており、それぞれの地域のビジネスに精通したローカル人材を登用しております。従業員の多様性や人権への配慮も欠かすことができない課題と認識しています。
- 関連する指標・取り組みの例
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- 労働安全衛生講習、その他各種研修の実施
- Working Group※2会議実施回数
- SEAJ※3が提供する安全研修の受講
- 女性社員数(割合)、女性管理職数(割合)、外国人社員数(海外子会社含む)
- ※2部署単位(縦割り)ではなく、機能別(ソフトウェア、光学、精密機構、電気など)に技術者が集まり、組織横断的に情報を共有するグループ。
- ※3日本半導体製造装置協会(Semiconductor Equipment Association of Japan)
5. 持続可能性に配慮したガバナンス体制
地球温暖化などの環境問題の解決に寄与するため、当社製品の製造過程で消費するエネルギーの管理体制を構築していきます。当社が直面する可能性のあるESGリスクを抽出し、モニタリングと開示に努めます。当社の成長と社会の発展を持続的に実現するため、リスクマネジメントとコンプライアンスを軸としたガバナンス体制を維持し、常に向上に努めることが重要であると認識しています。
- 関連する指標・取り組みの例
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- CO2排出量(電気使用量から算出=Scope 2)原単位
- 廃棄物・水使用量
- BCPの作成・維持
- 内部通報制度の運用と取締役会への報告
マテリアリティの整理 | 対応するSDGs | マテリアリティの要素 | 指標・取り組みの例 |
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経済・社会価値を
生みだす製品開発力 |
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顧客ニーズを迅速に
実現する対応力 |
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持続可能な
サプライチェーン |
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人材を活かす
組織体制・風土 |
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持続可能性に配慮した
ガバナンス体制 |
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- ※1通常の製品設計の検討に加えて、営業部門などが吸い上げた顧客のニーズ・アプリケーションに対して技術的な対応を検討する会議。ソリューションをいち早く提供する当社の対応力を代表する指標。
- ※2部署単位(縦割り)ではなく、機能別(ソフト、光学、機構、電気など)に技術者が集まり、組織横断的に情報を共有するグループ。
- ※3日本半導体製造装置協会(Semiconductor Equipment Association of Japan)
マテリアリティに関連する指標および取り組みの中身については定期的に見直し、目標や実績、成果などの情報を適宜開示してまいります。