新製品:TSV裏面研磨プロセス測定装置「BGM300」を発表
2012年08月27日
TSV裏面研磨プロセスでのSi厚さ、TSV深さ、Remaining Si厚さ測定装置
この度レーザーテック株式会社は、TSV裏面研磨プロセス前にSi厚さ/TSV深さを測定する「BGM300」を発表致します。なお本装置は既に、大手デバイスメーカーへの納入が決定しております。
説明
現在、半導体デバイスのさらなる高密度、高速動作、低消費電力化を目指し、チップを積み重ねて縦方向に回路を構築する3次元積層デバイスが実用化されつつあります。各チップは、貫通電極(TSV: Through Silicon Via)によって垂直方向に接続されます。TSVプロセスにおいて、貫通電極はウェハ裏面を研磨した後、さらにシリコンをエッチングする工程においてウェハ裏面に露出しますが、研磨量が多すぎる場合は貫通電極がシリコンと共に削られウェハがCuで汚染されるため、研磨の前にSi厚さやTSV深さを正確に測定する事が求められていました。逆に研磨量が少なすぎると、その後のエッチング工程に時間とコストを要します。レーザーテックのBGM300は、Cu汚染を防ぎかつ最適な研磨が行えるよう、Si厚さやTSV深さ等を研磨プロセス前に迅速に測定します。また併せて研磨後におけるVia部のRemaining Si厚さの測定も可能です。
BGM300は、フォトマスク業界にて業界標準機となっている弊社の位相シフト量測定装置MPMシリーズに採用されている干渉計と、新規開発のIR光学系の組み合わせにより構成されています。各種測定で一般的に使用される可視光では、ウェハ内部に光が到達しないため研磨前では測定ができません。一方、従来のIR光学系を用いた測定機ではスポットサイズの制約よりVia部を測定するのは困難でした。BGM300は、安定性の高い干渉計と新規のIR光学系を搭載することにより、従来装置では難しかった研磨前におけるVia部の測定を実現しました。
BGM300は、スキャトロメトリの様な間接的測定手法で必要となる複雑な計算や、複数のサンプルを用いて計算データと実測値の整合を取る事前作業が不要であり、Via形状やパターンレイアウトに対する制約がありません。そのため、信頼性の高い測定を迅速に行うことができ、開発から量産まで幅広く適応することができます。なお当社はBGM300において、株式会社ディスコ(本社:東京都大田区)と協力し、装置開発を行いました。レーザーテックは、TSV裏面研磨プロセスに最適なSolutionの提案を行っていきます。
特長
- 独自の干渉計とIR光学系の組み合わせを採用し、Via部の測定を実現
- 裏面研磨プロセスの前後両方において使用可能
- TSV裏面研磨プロセスに最適なSolutionを提供
用途
- TSV裏面研磨プロセス前のSi厚さ/TSV深さの測定
- TSV裏面研磨プロセス後のRemaining Si厚さ(RST)の測定
- 貼り合せウェハの接着層厚さ異常の把握