新製品:ウェハエッジ検査装置 「EZ300」を発表
2015年11月26日
ウェハ外周部の歩留定量管理とプロセス異常の解析用途に
レーザーテック株式会社は、ウェハ外周部の歩留り向上に貢献する今までにない新しいコンセプトであるウェハエッジ検査装置「EZ(イージー)300」を製品化致しました。また、2015年12/16(水)~18(金)に東京ビッグサイトで開催されるSEMICON Japan 2015ではEZ300の有効活用例をご紹介致します。
説明
EZ300はレーザーテックのコア技術であるコンフォーカル光学系を応用し、ウェハ外周部に対する検査・レビュ-・測定を行える装置です。EZ300を用いることにより1台の装置でウェハ外周部のインライン検査から欠陥種別の原因特定まで行える「All in One Concept」を実現しました。
従来ではウェハ外周部においてDOI(Defect Of Interest)を分離して検出するインライン管理は難しいとされてきました。そこで、EZ300では高解像度コンフォーカル光学系と独自のソフトウェアアルゴリズムを適用することで、凹凸判定を含む検査時の自動欠陥分類と欠陥計測を可能にしました。これにより、ウェハ外周部に対して、SPC(Statistical Process Control)を用いたインラインQCを構築することが出来るようになり、異常チップ発生時の原因追跡が可能になります。
また、今までウェハ外周部の欠陥種類やサイズを特定するには、欠陥の検査後にSEMやAFMなどの装置を用いていました。しかし、その手法は欠陥位置合わせに時間がかかるため、高コストな解析手法でした。一方、EZ300は高解像度のレビュ-機能を用いた、幅・高さ・粗さの3D測定機能、および、画像処理による欠陥分類機能を実現し、プロセスフィードバックや、プロセスの最適化を迅速に行うことが可能になります。
近年における集積回路(IC)の進化において、微細化技術によって消費電力を下げ、かつチップ内のトランジスタ数を増やすことで、高性能化・低コスト化を実現してきました。しかしながら、さらなる微細化はリーク電流などの様々な技術的問題を生じさせるため、最近は新しいデバイス構造を採用した結果、膜構造が複雑化して、ウェハエッジからの発塵によるチップの歩留り低下が問題となっております。 また生産性向上のため、ウェハ上の有効領域拡大が課題として挙げられ、ウェハ外周部の定量管理が重要な取り組みとして考えられています。加えて、貫通電極(TSV)技術を駆使したチップ同士を重ね合わせる3D IC、トランジスタを縦方向に形成する3次元メモリーといった新たな半導体プロセス技術が登場したことで、新たなウェハ外周部に対するプロセス処理が登場し、ウェハ外周部の定量管理はより一層注目されております。
EZ300は以上のような市場背景やお客さまのご要望にお応えした検査・レビュー・測定装置で、量産ラインでの定量管理からプロセス開発の解析用途まで幅広くご利用いただけます。レーザーテックは、今後も半導体の歩留りや生産性向上のためにコア技術を駆使し、半導体業界に貢献してまいります。
特長
- コンフォーカル光学系による高コントラスト画像を用いた欠陥検査
- 独自のアルゴリズムによる凹凸判定を含めた自動欠陥分類
- 欠陥種の特定・推測が容易となる、高解像度3D測定機能
用途
- インラインQCによるウェハ外周部の定量管理及び異常プロセス発生時の早期アラーム
- SPCによるウェハ外周部の不良チップ発生時の後追い解析
- ウェハ外周部の欠陥による、歩留まり悪化原因の把握・解析